三枝 孝之 さん(NPO共育学舎/パン工房木造校舎 代表)Message 26

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三枝 孝之 さん

Saigusa Takayuki

静岡県生まれ。50歳頃まで「気の向くまま」の暮らしを送った後、平成10年に和歌山県熊野川町(現在・新宮市)へ移住。自給的農業を営みながら、廃校になった旧町立敷屋小学校を拠点に、持続可能な生き方を若者と共に考える「NPO共育学舎」の活動を続ける。自家栽培の有機無農薬小麦を使ってパンを焼く「パン工房木造校舎」も併設。

NPO共育学舎

 三枝さんが主宰する「止まり木」のような空間。性別や国籍を問わず、35歳以下の若者に無償で食べ物と寝る場所を提供する。「自然から学び、自然を知ること」、「社会や他人から学び、自分を知ること」、「足るを知ること」を大切に、農業を基本とする共同生活を営む。巣立った若者達は、市議会議員や大学教員等、多方面で活躍中。

パン工房木造校舎

 共育学舎の活動の一環で焼いたパンを販売している。カフェを併設しており、ランチの利用も可。
(所在地)〒647-1221 新宮市熊野川町西敷屋1022 旧敷屋小学校
(TEL)050-7000-8831
(木造校舎営業日時)金・土 11:30~16:00


―まず、この活動を始めたきっかけを教えてください。

 14歳の頃、「何のために生きるのか」を考えるようになりました。学校の先生に聞いてみても、「そんなこと考えずに勉強して、大学行ってから考えろ」と言うばかり。私は団塊の世代ですが、同年代の若者達は、「学校へ行き、定職に就き、家庭を持つ」という「社会の常識」に乗る者か、そういった「社会の常識」を変えようとするイデオロギー的な学生運動の両翼に分かれていました。そのどちらにも属さない私には行き場がなく、「元祖ニート」のような生活をしていました。
 働いていた時期もいなかった時期もありますが、「何のために生きるのか」という疑問は頭から離れず、本を読んだり、講演会へ出かけたりしていました。40歳の頃、その疑問に自分なりの答えが見つかったのですが、その答えが外部からの影響によるものなのか、自分の内部からわき起こってきたものかを知りたいと思い、以後、新聞、テレビ、ラジオ等を一切遮断し、家族や友人にも会わない生活を送りました。
 そんな暮らしを10年続けた頃、そろそろ社会に出てみても良いかと思い、その頃に知り合った妻と二人、熊野川町にたどり着きました。最初は町内の別の場所に住んでいましたが、廃校になった小学校が全く利用されていないのを見て、町とかけ合って使わせてもらえるようにし、学校の近くの空き家に引っ越しました。自給的農業を基本にしながらも、食べて寝て暮らす場所を若者達に無償で提供しています。若い時期は、色々迷い、悩む時期ですが、お金のことを念頭に考えるとなかなか考えもまとまりません。お金のことを考えず、純粋に自分の思いと向き合えるように、無償としています。

―ふだんの活動は、どんなことをなさっていますか?

 自分達で食べる分の米や小麦、野菜を作っています。パンも焼いて売っていますが、プロのパン職人ではなく、ただ自分の食べたいパンを作って、それを売っているだけです。こういうハード系のパンは一般受けしないと思いますが、地域のあり方、環境問題等々色々な思いを込めてパンを焼いています。そこまで共感してもらえる方はごく少数だと思いますが、稼ごうと思うことなく、やりたいようにやっています。
 滞在している若者達にも、特に何も指図はしません。ただ、寝食を共にしながら語り合うことで、彼らの考えが深まっていく場を提供しています。

―最近、特にホットなトピックがあれば教えてください。

 勝山実さんやphaさんといった、ニート・ひきこもり当事者の中でも優れた発信力を持った方々が、共育学舎のことをブログや書籍等でとりあげたせいか、当事者の方々が来られることが多くなってきました。「ひきこもり」の若者達は、個人の尊厳が大切にされない現代社会にあって、自己防衛に入っているのでしょう。その感性は素晴らしいと思います。ただ、私に言わせると「考える力」があと一歩。疑問に思うこと、考えることを禁じられて育ってきたのだからやむを得ないかもしれません。
 そういう若者も、滞在してしっかり考えているうちに変わってきます。私は、世間で「社会の厄介者」のように扱われている、今の社会に疑問を持った若者達にこそ、明日の社会を少しでもマシなものにしていくことの可能性を感じます。

―最後に、和歌山の若者たちに一言メッセージをお願いします。

 「他人と違うことを恐れるな!」
明治以降の日本は、近代化・工業化に伴い、教育によって均一な人材を生み出すようになりました。
私が中学時代に言われたような、「難しいことを考えず、世の中をうまく渡れ」という世界です。
しかし、脱工業化社会と言われて久しい今、「考える」ことなしに、世の中はうまく渡れなくなっています。
小さな疑問を大切に、自分で納得できるまでしっかり考えて抜いてほしい。
考え抜いた先には、「就職」や「進学」ではない、第三、第四・・・百人百様の道が開けているかもしれません。
一人一人の若者が、そういった多様な道を描けることこそが、成熟した社会の証なのだと思います。


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